3歳になると
「この子はこういう性格なんだな」と
だんだん見えてきますよね。
同時に、
✔ 同じことをしても反応が違う
✔ 同じことをしても反応が違う
✔ どう声かけしたらいい?
✔ 同じ育て方じゃダメ?
そんな新しい悩みも生まれます。
私自身も、男女の双子を育てながら
“同じ育て方は逆効果になる場面” を
日々体感しています。
この記事では、
● 3歳の双子(男女)の性格と違い
● 家庭と保育園での観察
● 性格に合わせた声かけと環境づくり
● モンテッソーリ視点の実例
をまとめています。
「同じ親なのに、育ち方がこんなに違うの?」
と思ったときの ヒントと具体例 として、
気軽に読んでいただけると嬉しいです。
3歳の双子が“同じ育て方では育たない”理由
3歳になると、
赤ちゃんの頃には見えなかったその子らしさがはっきりしてきます。
わが家の場合も、同じ双子ですが
・慎重派で、自分のペースを大事にする月🌙
・気持ちの主張が強く、人に関わりながら広がる楓🍁
というように、見えている世界が違うことを実感しています。
そのため、同じ声かけでも——
✔ 月は「どうしようかな」と内側で考え
✔ 楓は「こうしたい!」とすぐ表現する
といった具合に、反応が変わります。
これは育て方の差ではなく、
生まれ持った気質・処理の仕方の違いです。
📌 気質と性格の違いは、行動の“理由”を変える
例えば、
楓が「抱っこして!」と甘えたり、
月が静かに順番を待つ、
といった姿は、
✔ 楓 → 不安があれば人とつながりたい
✔ 月 → 落ち着いて状況を受け止めたい
という、安心の作り方の違いが背景にあります。
こうした違いが見えると
「同じ育て方で同じ育ちになるわけではない」
と体感できます。
性別による反応や学び方の差も見えてくる
男女差も“育ちのクセ”として表れます。
例:
月🌙(男の子)は
新しい遊具に挑戦するまでに時間がかかり、
環境を理解してから動きます。
楓🍁(女の子)は
人との関わりや言葉を使って安心を作り、
その安心の中で挑戦します。
同じ環境でも
「心のアクセルを踏むタイミング」が違う
ので、
✔ 待つ声かけ 待つ声かけ
✔ 助けるタイミング
✔ 成長の捉え方
を 子どもによって変える方が自然です。
💡 双子育児のポイントは「公平=同じ」ではなく「必要が違う」ことを理解すること
同じ年齢、同じ家なのに反応が分かれるのは、
・安心を得る方法
・挑戦のタイミング
・自己表現の仕方
が違うから。
だから双子育児は、
「同じことをすれば同じ結果が出る」は当てはまらず
「この子に合う方法を探す」が鍵になります。
これは難しさでもあり、
双子育児の面白いところでもあります。
—
気質や性別の違いがどう育ちに影響するのかを、
次の項目で具体的に紹介していきます。
生まれ持った気質と性格の違い
同じ親、同じ家、同じ環境で育っているのに、
双子は**「感じ方」「行動の仕方」「安心の仕方」**がまったく違います。
それは、
・怖がりで慎重に進む子
・人に甘えながら広がる子
・ひとつの遊びを極めたい子
・いろいろ試したい子
など、生まれ持った気質(気持ちのクセ)と性格が違うから。
3歳になるとその“違い”が一気に見えやすくなり、
同じ声かけでも反応が分かれます。
性別による反応や学び方の差
さらに、男女の双子の場合は
性別による捉え方・安心の仕方・アピールの仕方にも差が出やすいです。
・男の子は「情報を理解してから動きたい」
・女の子は「人との関係の中で安心を作りたい」
という傾向が見えたり、
・黙って観察してから挑戦する子
・手を貸してもらいながら進む子
など、“助けてほしいタイミング” が違います。
同じ家庭環境でも、
“性別 × 気質” の掛け合わせで育ち方が分かれるため、
✔ 声かけ
✔ 環境の整え方
✔ 待ち方
は双子でも同じにならない方が自然なのです。
3歳で見えてきた強みと課題
3歳になると、
ただ「できる/できない」に注目していた時期から、
✔ その子がどう世界を受け取るか
✔ どう安心を作り、どう表現するか
といった内面の成長が見えてきます。
わが家の双子も同じで、
同じ場面にいても“伸びていく方向”が違っています。
ここでは月と楓の実例から、
強みと育んでいきたい課題の見つけ方を紹介します。
◎🌙月の強みと伸ばしたい点
月は、
相手の気持ちや場の空気を感じ取る力が強い子です。
✔ 先生が困っているとそっとお片付けなどを積極的に手伝う
✔ お友達がおもちゃを欲しがると貸してあげる
✔ 同じ遊びをしている子を見て「ぼくもやる」と合流する
こうした姿は
共感性や協調性の芽 が育っている証拠です。
しかしその分、
・自分の気持ちより相手を優先する
・場が乱れるくらい主張できない
という課題が浮かび上がります。
🌙実例🌙
“言いたいけど言わない”を言語化した日
おもちゃの順番を巡って、楓「これは楓の!月はあっち!」
月「……(小声で玩具を置く)」
その時、「月も遊びたいよね?」
「“やりたいよ”って言っていいんだよ」
と声をかけると、小声で—
月「……やりたい」わずかな声でも、自分の気持ちを言葉にした瞬間 でした。
ここで、「言ってくれてありがとう」
「月の気持ちを教えてくれて嬉しいよ」と返すことで、
✔ 伝えて良い
✔ 思いを出していい
✔ 自分の気持ちには価値がある
という 自己効力感・自己肯定感 が育ちます。
月はすでに人を惹きつけたり、
空気を整えたりする力がある子なので、
その良さを認めながら
「自分も大切にしていい」
を育んでいくことが伸びしろです。
◎🍁楓の強みと伸ばしたい点
楓は、
✔ やりたいことが明確
✔ こうしたい!がすぐ言える
✔ 周りを巻き込んでいく力がある
という主体性の芽がとても強い子です。
一方で、
・自分の気持ちが優先されすぎる
・他者の都合を見失う
・意見の押し付けになることがある
という課題が同時に現れます。
🍁実例🍁
“自分と相手の気持ちは違う”を学んだ場面
お風呂上りに
楓「横に座って一緒にお絵描きしよう?」
ママ「ごめんね、風邪引くからドライヤーしてからで大丈夫?」
楓「ダメ!隣でお絵描きするの!」
ここで、
「楓の気持ちはそうなんだね。
ママのドライヤーしたい気持ちはどう思う?」
と返しても、3歳ではまだ意味が入りません。
そこで、
「ママの気持ちと、楓の気持ち、
2つあるんだよ。どうしようか?」
と“答えを与えず問いかける”と、楓はしばらく考えて
「……ママはドライヤーしてきていいよ」
と、小さな譲りが生まれました。
これは、
✔ 他者の感情を存在させる
✔ 譲る経験をする
✔ 合意形成を学ぶ
という対人スキルの土台 です。
楓の主体性は、
未来のリーダーシップや意思決定力につながる芽なので、
つぶすのではなく、
“あなたの気持ちは大事”
“でも相手の気持ちもあるね”
という 共存の練習を積ませる のが課題になります。
モンテッソーリ教育をどう取り入れている?
3歳の双子育児は、どうしても「同じ声かけ」「同じ環境」で回しがち。
でも、性格の違いが見えてきた今だからこそ、私たちは**“2人に合う環境の余白をつくる”** ことを意識しています。
ここで役立っているのがモンテッソーリの考え方。
「大人が教えるより、環境が子どもを育てる」
この視点を軸に、家の中の環境や声かけを整えることで、月と楓が自分のペースで伸びられる時間を確保しています。
家庭環境デザインの工夫(我が家の3つ)
① “できる”を引き出すための道具配置
3歳になると、
「できた」「やってみたい」が自信の土台になります。
そのため我が家では、
双子の気質に合わせて道具の高さや難易度を変える工夫をしています。
🔸 月(慎重派)には
・取り出しやすい洋服の引き出しの場所
・好きなおもちゃをいつも取り出しやすい場所に置く
“自分でできた” という成功体験を積みやすくしました。
例)おもちゃ、洋服
※場所を変えないようにして、月に”ここにある”と日常で認識させる
🔹 楓(挑戦型)には
・あえて少し高めの棚
・「やってみたい」を刺激する道具
を置き、
任せられる経験や挑戦の余白を増やしています。
例)調理器具や、高さのある引き出しに収納
こうすることで、
月は
「できた!」「またおなじことをやってみよう」
(繰り返し反復することで体に習得していく)
楓は
「自分でやりたい!」「次はこうしてみよう」
という、
それぞれの伸び方が自然に出てきます。
② 選べる・任される時間を確保
朝の着替えや片づけの場面では、
「どっちにする?」と選べる場面
「お願いします」と任せられる場面
を、意図的に区別しています。
- 月🌙には安心できる選択肢を
- 楓🍁には自分で決める経験を
この積み重ねは、自信と自己効力感につながります。
③ 失敗を”叱らないで振り返る”
ンテッソーリの考え方では、
失敗は学びの出発点。
月には
「よく気づいたね。どうしたかった?」
楓には
「すごいチャレンジだったね。次どうしてみたい?」
と、問いかけで終わる余白をつくることで、
2人とも失敗を怖がらず挑戦しやすくなりました。
「我が家にも取り入れてみたいな」と思った方は、
こちらの記事に、さらに具体的な環境づくりと道具例をまとめています👇
👉 双子育児でもできる!おうちモンテッソーリの始め方|3歳から“ゆるく続ける”コツ
気負わず、まずは “できることから” が合言葉です☺️
非認知能力の育て方
非認知能力(粘り強さ/自己肯定感/共感/創造性など)は、
目に見えにくいけれど、令和の社会で生きる力の土台。
双子育児では、
同じ機会 → 違う反応 → 違う育ち方
が自然に起こるので、非認知能力の伸びる瞬間がとても分かりやすいです。
我が家が意識しているポイントは3つ。
① 違いを “比較” ではなく “意味づけ” する
- 月は相手をよく見て距離を取れる
→ 調整力・思いやりの芽 - 楓は自己主張が強い
→ 自分で道を開こうとする力
大人が違いの意味を言語化して伝えると、
本人たちの**「これでいいんだ」という安心感**が育ちます。
② 結果より “過程の言葉がけ” を増やす
例えば痛んだ野菜を食べられなかった月には、
「気づけたこと、すごいね」
最後まで包丁を握り続けた楓には、
「諦めずにやったんだね!」
過程を認める声かけは、
自己肯定感と挑戦する意欲を育ててくれます。
③ 双子同士で育つ力に気づく
月は楓を見て挑戦することが増え、
楓は月の反応から「思いやる」ことを学んでいます。
親が間に入らず、
“真似る・助ける・譲る” のやり取りを見守ることで、
協調・責任感・社会性が自然と鍛えられていきます。
■まとめ|双子は“同じに育てなくていい”
3歳になると、
「この子はこう育つのかな」と感じる瞬間が増えます。
月と楓のように、
同じ環境でも育ち方が違うのは自然なことです。
この記事でお伝えしたのは、
・双子でも性格や気質は異なる
・その違いは強みに変えられる
・声かけや環境を少し変えるだけで伸び方が変わる
・モンテッソーリや非認知能力は日常の中で育つ
という点でした。
完璧な答えがなくても、
日々の観察と小さな調整が、
その子らしく育つための力になります。
「今日はこう声をかけてみよう」
そんな一歩だけで十分です。
双子の違いは、悩みではなく伸びる余白。
その子らしさを楽しむ育ち方を、
無理なく続けていけますように。
