【双子】自己肯定感はどう育つ?3歳から意識したい「成功体験」の積み重ね方

自己肯定感という言葉を、育児の中でよく聞くようになりました。

大切だと言われる一方で、「じゃあ、何をすれば育つの?」と戸惑うことも多いのではないでしょうか。

特に双子育児では、

同じように育てているつもりでも反応が違ったり、

片方ができるようになると、もう片方が拗ねてしまったり。

「この関わり方で合っているのか」と、正解が分からなくなる場面が少なくありません。

この記事では、

自己肯定感を「高める方法」を探すのではなく、

自己肯定感がどうやって育っていくのかを、

日常の関わりや実体験をもとに整理していきます。

3歳の双子と向き合う中で感じてきたことを通して、

「全部できなくても大丈夫」と思える視点をお伝えできたら嬉しいです。

自己肯定感は「気持ちを高めること」ではない

自己肯定感というと、

「前向きでいること」や「自信を持たせること」を思い浮かべがちです。

でも、日々の育児の中でそれを意識し続けるのは、正直かなり大変です。

自己肯定感は、

ポジティブな気持ちを保つことでも、

褒め続けることで無理につくるものでもありません。

むしろ、自己肯定感は

あとから振り返ったときに、静かに感じるものだと感じています。

「あのとき、できなかったけど挑戦したな」

「少しずつできることが増えていたな」

そんな積み重ねを、

時間が経ってから振り返ったときに、

「あの頃の自分なりに、精一杯やっていた」

と認識できること。

それが、自己肯定感につながっていくのではないでしょうか。

だから、3歳の子どもに

「自信を持とう」「自分を好きになろう」と教え込む必要はありません。

今はただ、日常の中での経験が、

あとで振り返れる形で積み上がっていけば十分です。

私自身、自己肯定感は高くありませんでした

正直に言うと、

若い頃の私は、自己肯定感が高いタイプではありませんでした。

自分に自信があるとも言えず、

「これでいい」と思える感覚も、あまり持てていなかったと思います。

ただ、今になって過去を振り返ると、

不思議と「楽しかった」と感じている記憶には、ある共通点がありました。

それは、

少しずつでも結果が出ていたことです。

スポーツなどで、

思うようにいかない時期もありながら、

続けていく中で、少しずつ実績が積み上がっていく。

すると、

  • 前よりできるようになった
  • 続けること自体が苦ではなくなった
  • さらに挑戦したくなる

そんな循環が生まれていました。

当時は意識していませんでしたが、

今振り返ると、

自己肯定感は「自信を持とう」と思って育ったものではなく、

成功体験が積み重なった“結果”として、あとからついてきた

ものだったように感じています。

決して、最初から前向きだったわけでも、

強い気持ちを持っていたわけでもありません。

それでも、続けてきた経験が、

後になって自分を肯定できる材料になっていました。

成功体験は「大きな成功」ではなく、日常にある

3歳の双子が日常生活の中で小さな成功体験を積み重ねているイメージイラスト

一般的に、自己肯定感とは

「うまくいった自分」だけを肯定することではなく、

失敗や弱さも含めて「これが自分だ」と受け入れられる感覚だと言われています。

そう考えると、

成功体験という言葉は少しズレているように感じるかもしれません。

でも私がここで言う成功体験は、

結果が出たことそのものではなく、

思うようにいかない時期や失敗も含めて

「それでも続けてきた自分」を、

後から振り返って肯定できた経験のことです。

成功体験というと、

賞を取ることや、誰かに評価される出来事を思い浮かべがちです。

でも、3歳の子どもにとっての成功体験は、

そんな分かりやすい成果ばかりではありません。

子どもにとっての成功体験は、

「できた」「前よりできた」と、自分で感じられること。

ほんの小さな変化でも、その認識が積み重なっていきます。

ただ、その「できた」は、

子ども一人で気づけるとは限りません。

例えば、

  • 昨日より少し時間がかかったけれど、最後までやりきった
  • 前は嫌がっていたことに、自分から手を伸ばした
  • 完璧ではないけれど、途中まで挑戦した

こうした変化は、

大人が意識していないと、すぐに流れてしまいます。

だからこそ、

成功体験は「起こるもの」ではなく、

親の関わりによって“気づかされるもの”

なのだと感じています。

結果だけを見るのではなく、

過程や変化に目を向けること。

それを言葉にして返すことで、

子どもの中に「できた」という感覚が残ります。

その積み重ねが、

後になって自分を肯定できる土台になっていきます。

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自己肯定感を育てる鍵は「1.5倍の負荷」

自己肯定感を育てるために、

特別な声かけや、大きな成功体験が必要なわけではありません。

大切なのは、

「できなさすぎず、簡単すぎない」経験を、日常の中で積み重ねることです。

できなさすぎると、挑戦する前に心が折れる

難しすぎることを求められると、

子どもは「やってみよう」より先に、

「どうせできない」と感じてしまいます。

これは失敗そのものが問題なのではなく、

失敗しか想像できない状態で挑戦させられることが、

自信を削ってしまうのです。

簡単すぎると、「できた」という実感が残らない

反対に、

ほとんど努力しなくてもできてしまうことは、

達成感につながりにくいものです。

「できた」は起きているのに、

心の中には何も積み上がらない。

この状態が続くと、

自分の力を実感する機会そのものが減っていきます。

「できるか迷う」ラインが、1.5倍の負荷

そこで意識したいのが、

今の力より、ほんの少しだけ難しいこと。

私はこれを、

「1.5倍の負荷」と呼んでいます。

  • できるかどうか、少し迷う
  • 失敗するかもしれない
  • でも、やってみようと思える

このラインにある挑戦こそが、

  • うまくいけば「自分でできた」
  • うまくいかなくても「挑戦した自分」を残す

どちらの場合も、

後から振り返ったときに

「自分はやってきた」と肯定できる経験になります。

洋服の着脱で考える「小さな成功の積み上げ」

我が家では、洋服の着脱を通して

「1.5倍の負荷」をとても実感しました。

最初から「自分で脱ごうね」と任せていたわけではありません。

はじめは、当たり前ですが、子にバンザイをさせてほとんど脱がせていました。

そこから少しずつ、

  • 袖を引っ張って、腕を抜くところだけ任せる
  • 片腕ができるようになったら、もう片方も
  • 最後に、首に引っかかった服を頭から抜く

というように、工程を細かく分けて任せていきました。

このとき意識していたのは、

「できるか、できないか迷うライン」を少しだけ超えること。

全部は無理だけれど、

“ここなら手を伸ばせば届きそう”

その部分だけを切り出して任せます。

我が家の場合、途中から保育園でも同じように関わってくれていたようで、

気づけば腕を抜く動作は自然とできるようになっていました。

頭から脱ぐ工程は少し時間がかかりましたが、

親が少し引っ張りながら補助することで、

「自分で脱げた」という感覚だけは残すようにしていました。

こうした積み重ねの中で、

いつの間にか「できること」が増えていったのです。


双子だからこそ気をつけたこと

双子育児で難しかったのは、

片方が先にできるようになったときの関わりでした。

片方を強く褒めすぎると、

もう一方が拗ねてしまったり、やる気を失ったりすることがあります。

そのため、

  • できた子は淡々と認める
  • まだ途中の子には「今はここまでで大丈夫」と伝える
  • 比較ではなく、それぞれの“今の段階”を見る

このバランスを意識していました。

1.5倍の負荷は、

「同じことをさせる」という意味ではありません。

それぞれにとっての“少し難しい”を見つけること

それが、双子育児では特に大切だと感じています。

双子育児では「比較」が自己肯定感を削りやすい

双子育児で自己肯定感を考えるとき、

避けて通れないのが「比較」の問題です。

親が比べるつもりがなくても、

双子は同じ年齢、同じ環境で育つため、

どうしても差が見えやすくなります。

  • 片方ができるようになる
  • もう片方は、まだ途中
  • すると、拗ねたり、やる気をなくしたりする

こうした場面は、トイレトレーニングや着替え、食事など、

日常のあらゆる場面で起こります。

問題なのは「差があること」ではありません。

差がある状態で、評価が並んでしまうことです。

褒めたつもりでも、

  • できた子だけが強く印象に残る
  • できなかった子は「できない側」になる

この構図が繰り返されると、

自己肯定感は少しずつ削られていきます。

双子の場合のケアは「それぞれの一歩」に目を向ける

双子育児で意識しておきたいのは、

**「同じ課題=同じ進み方ではない」**という視点です。

たとえば洋服の着脱でも、

  • 片方は腕が抜けるようになった
  • もう片方は、まだ袖を引っ張る途中

この状態は、どちらも「成長の途中」です。

ここで大切なのは、

  • 並べて評価しないこと
  • できた・できないで線を引かないこと
  • それぞれの「昨日より前進した点」を返すこと

「昨日より、ここまでできたね」

「前より、ちょっと早くなったね」

この声かけは、

結果ではなく過程そのものを肯定する関わりです。

双子だからこそ、

「同じゴールを見ない」ことが、自己肯定感を守ります。

3歳の自己肯定感は「完成」を目指さなくていい

3歳の子どもにとって、

自己肯定感は「身についているか、いないか」を測るものではありません。

今は、完成形を目指す時期ではなく、

これから育っていくための土台をつくっている途中です。

うまくできる日もあれば、

昨日できていたことが今日はできない日もあります。

それは後退ではなく、ごく自然な揺れです。

この時期に大切なのは、

「しっかり育てなければ」と焦ることではなく、

芽が出ているかどうかに目を向けること。

  • 自分でやろうとする
  • 迷いながらも手を伸ばす
  • できなくても、もう一度挑戦しようとする

こうした姿が見られたら、

それだけで十分、土台は育っています。

そしてもう一つ大切なのが、

親が“評価者”になりすぎないことです。

できた・できないを判断する役になってしまうと、

子どもは「どう見られるか」を基準に動くようになります。

そうではなく、

  • どこまでやろうとしたか
  • どんな工夫をしていたか
  • 途中で諦めなかったか

その過程を一緒に見ている存在でいること。

自己肯定感は、

親に評価された結果として育つものではありません。

「見てもらえていた」

「分かってもらえていた」

その積み重ねが、

時間をかけて、自己肯定感になっていきます。

今は完成を目指さなくて大丈夫です。

3歳は、芽があれば十分な時期なのです。

まとめ|今の関わりは、きっとあとから意味を持つ

自己肯定感は、

今すぐ目に見える形で「育った」と分かるものではありません。

できた日も、できなかった日も、

親が見てきた関わりの積み重ねは、

あとから子どもの中で意味を持ち始めます。

3歳の今は、完成を目指す時期ではなく、

「自分でやってみようとした」「挑戦しようとした」

その芽を育てている途中です。

正解の声かけがあるわけでも、

完璧な関わり方があるわけでもありません。

でも、

  • できた・できないで評価しすぎない
  • 比べるより、それぞれの一歩を見る
  • 少しだけ背伸びできる環境を用意する

そんな意識の変化は、

日常の見え方を確実に変えてくれます。

今の関わりが、

10年後、15年後にどう実を結ぶのかは、

その時にならないと分かりません。

それでも、

「ちゃんと向き合ってきた」と

あとから肯定できる関わりを重ねていくこと。

それが、自己肯定感の土台になるのだと思います。

気になる力やテーマから、

ぜひ他の記事も読んでみてください。

「自己肯定感は、非認知能力の一つです」

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共感力・粘り強さ・対応力など、

双子育児で意識したい非認知能力について、

今後も記事を追加していく予定です。

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