メタ認知とは何か|3歳児の行動から見えた“考えを調整する力”

非認知能力のメタ認知とは何かアイキャッチ画像

「感情に振り回されない力」は、いつから育つのでしょうか。

メタ認知と聞くと、
大人が身につける高度な思考力のように
感じるかもしれません。

しかし実は、その芽は幼児期から、
しかも日常の何気ない行動の中に表れています。

3歳の子どもは、
まだ自分の気持ちをうまく言葉にできません。

それでも、「こうすると嫌な気持ちになる」「こうした方がうまくいく」と、
経験をもとに行動を調整し始めています。

これは単なる我慢や気まぐれではなく、
「考えを調整する力」が育ち始めているサインとも言えます。

本記事では、メタ認知とは何かを整理したうえで、
わが家の3歳の双子の行動を例に、
幼児期に見られるメタ認知の芽について考えていきます。

専門用語をできるだけ噛み砕きながら、
「それは諦めではなかった」
「実は考えて選んでいた」

という視点を、育児の中でどう受け取ればよいのかをお伝えします。

メタ認知とは何か

虫眼鏡の女の子。メタ認知とは?の言葉

メタ認知とは、簡単に言うと
**「自分の考えや気持ちを客観的に捉え、必要に応じて調整する力」**のことです。

今どう感じているのか、なぜそう考えたのか、
その結果どんな行動を取ろうとしているのか。

それらを一段上から見て、
選び直す力とも言えます。

「感情を抑える力」や「我慢する力」と混同されがちですが、メタ認知はそれらとは少し違います。

感情を否定するのではなく、
感情があることに気づいた上で、
どう行動するかを考える力です。

メタ認知は「自分を知る」だけではない

メタ認知という言葉を聞くと
「自分の性格を理解すること」「長所や短所を知ること」といった
自己理解を思い浮かべる方も多いかもしれません。

確かに、自分を知ることはメタ認知の大切な土台です。

しかし、知っているだけではメタ認知とは言えません。

たとえば、

  • 自分は怒りやすいと知っている
  • 集中すると周りが見えなくなると分かっている

これらは自己理解ですが、メタ認知はさらに一歩進みます。

  • 今、自分は怒りやすい状態だと気づく
  • このまま話すと、後悔しそうだと予測する
  • だから一度距離を置こうと判断する

このように、知った情報をもとに行動を調整するところまで含めて、メタ認知です。

感情や行動を一段上から見る力

メタ認知が働いているとき、人は自分の内側で起きていることを、少し離れた場所から眺めています。

  • 「今、私は焦っているな」
  • 「この考え方は、少し極端かもしれない」
  • 「一度立ち止まった方が良さそうだ」

こうした気づきは、感情に流されている最中には生まれにくいものです。

メタ認知とは、感情を消す力ではなく、感情と自分の間に“間”をつくる力とも言えます。

この“間”があることで、人は選択肢を持てるようになります。

反射的に動くのではなく、「どうするか」を選べるようになる。

これが、メタ認知が「考えを調整する力」と言われる理由です。

大人のメタ認知と子どものメタ認知の違い

大人のメタ認知は、多くの場合、言葉によって行われます。

自分の気持ちを説明したり、
考え直したり、
先の結果を想像したりすることができます。

一方で、子ども、
特に幼児期のメタ認知は、
言葉ではなく行動として表れます。

  • 失敗しそうな場面を避ける
  • うまくいかなかった方法をやめる
  • 相手の反応を見て行動を変える

これらは大人から見ると
「偶然」や「性格」に見えることもありますが、
実際には経験をもとに調整している途中の姿です。

3歳児のメタ認知は、まだ未完成で不安定です。

その日の気分や環境に大きく左右されますし、常にうまくいくわけでもありません。

それでも、「考えを調整しようとする動き」が見られること自体が、
メタ認知の芽が育ち始めている証拠と言えるでしょう。

3歳児にも見られるメタ認知の芽

メタ認知は、ある日突然できるようになる力ではありません。

幼児期から少しずつ、経験を通して育っていくものです。

特に3歳頃は、「自分の気持ち」「起きた出来事」を結びつけながら、
どう行動すると自分が楽か、困らないかを考え始める時期だと言われています。

まだ未熟ではありますが、メタ認知の“芽”が見え始める大切な時期です。

3歳は「考えを調整し始める」時期

3歳になると、子どもはさまざまな経験を積み重ねています。

  • おもちゃを取られて嫌だった
  • 順番を待てずに泣いた
  • こうしたらうまくいった
  • こうしたら怒られた、困った

こうした体験が少しずつ蓄積され、
「次はどうしようか」と考える土台になります。

この時期の特徴は、
感情に任せて行動するだけでなく、
結果を予測しようとし始めることです。

もちろん、常にうまく調整できるわけではありません。

それでも、
「前と同じ失敗を避けようとする」
「嫌な気持ちにならない選択を取ろうとする」
姿が見られるようになります。

これは、メタ認知が働き始めているサインの一つです。

言葉にできなくても、行動で調整している

3歳児は、
自分の考えや気持ちを言葉で
説明することがまだ難しい年齢です。

そのため、
メタ認知が育ち始めていても、
大人の目には
「考えているように見えない」
と感じられることがあります。

しかし実際には、
言葉ではなく行動で調整している場面が多く見られます。

  • うまくいかなかった遊び方をやめる
  • 先に別の行動を選ぶ
  • 相手の反応を見て、やり方を変える

これらは偶然ではなく、
これまでの経験をもとに
「どうしたらよさそうか」を考えたうえでの選択です。

大人の目には
「諦めが早い」
「気が変わりやすい」
と映ることもありますが、

子どもの内側では、
「どうしたら嫌な思いをしないか」
「どうしたらうまくいくか」
を探っている最中なのです。

ここで注目したいのは、
この行動の調整が、
自分の中だけで完結していないという点です。

相手の表情を見る
距離を取る
関わり方を変える

こうした行動は、
「自分を知る力(メタ認知)」が、
相手との関係性の中で使われ始めている状態とも言えます。

▶︎3歳のコミュニケーション力|伝える力・聞く力はどう育つ?

3歳児のメタ認知は、
まだ未完成で不安定だからこそ、
考えがそのまま行動として表れやすいという特徴があります。

次の章では、
こうしたメタ認知の芽が、
実際の家庭や保育の場でどのように見られるのか、
双子の具体例を交えて見ていきます。

3歳の双子に見えたメタ認知の具体例

ここからは、
わが家の3歳の双子の行動をもとに、
幼児期に見られるメタ認知の芽について考えていきます。

なお、以下に紹介する内容は、
あくまで日常の様子からの推測であり、
行動の理由を断定するものではありません。

その点を踏まえたうえで、
一つの見方として読んでいただければと思います。

おもちゃを途中で貸さないために、最初から渡す選択(月)

おもちゃで遊ぶ子供2人

息子の月は、お友達やきょうだいからおもちゃを
「かーしーてー」と言われると、
遊んでいる途中でもそのまま渡してしまうことがあります。

保育園の面談でも、
「まだ使っていていいんだよ」と声をかけられても、
少し諦めたような表情で渡している、という話がありました。

家でも同じような場面を見ることがあり、
その表情からは、「嫌だけれど我慢している」という印象を受けることもあります。

ただ、これを単なる我慢や遠慮と捉えるだけでは、少し違う見方もできそうです。

推測ではありますが、月の中では、

  • 途中で貸すと嫌な気持ちになる
  • 押し問答になるのがつらい
  • それなら、最初から渡してしまった方が楽

といった経験則が積み重なっているのかもしれません。

もしそうだとすると、
この行動は「諦め」ではなく、
自分の気持ちを守るために行動を調整した結果と考えることもできます。

相手の反応を見ながら行動を変える(楓)

娘の楓は、
月と私が遊んでいると、
私の注意を自分に向けようと、
さまざまな行動を取ります。

  • 一緒におもちゃで遊び始める
  • 膝に乗ってくる
  • 話しかける
  • 冷蔵庫のヨーグルトを取ってほしいと頼む

その様子を見ていると、
「どの行動ならママが反応するか」
を試しているように感じる場面があります。

これももちろん推測ですが、
楓は感情のままに動いているというより、
相手の反応を観察しながら
行動を選び直しているように見えます。

うまくいかなければ別の方法を試す、
という流れは、幼児なりの試行錯誤と言えるでしょう。

どちらも「考えを調整する力」の表れ

月と楓の行動は、
一見すると正反対に見えるかもしれません。

月は引いて譲り、
楓は積極的に関わろうとする。

しかしどちらも、
「どうすれば自分が困らないか」
「どうすれば状況が動くか」を考え、
行動を調整している点では共通しています。

言葉で説明できなくても、
3歳なりに状況を捉え、これまでの経験をもとに選択している。

月の「最初から渡す」という選択も、
楓の「相手の反応を見ながら行動を変える」姿も、
衝動的に動くのではなく、
一度立ち止まり、
状況を踏まえて行動を選び直している点が共通しています。

これは、メタ認知の中核である
「考えを調整する力」が、
行動として表れている状態だと考えられます。

重要なのは、「良い・悪い」で評価することではなく
子どもがどんな意図でその行動を選んでいるのかを想像してみることです。

次の章では、こうした行動を大人がどう受け止めればよいのか、
「我慢」や「ずるさ」といったラベルを貼らずに見る視点について考えていきます。

さらに視点を広げると、
月の行動には相手の気持ちや場の空気を感じ取る力が、
楓の行動にはうまくいく方法を探し、試行錯誤する力が、
それぞれ色濃く表れています。

こうした力は、非認知能力の中でも
「共感力」「問題解決能力」と深くつながっており、
メタ認知が他の力の土台になっていることがわかります。

それは「我慢」や「ずるさ」ではない

子どもの行動を見ていると、
大人はつい意味づけをしたくなります。

「我慢しているのかな」
「ずるいことをしているのでは?」

特に、きょうだい関係や集団生活の中では、
そのように見える場面も少なくありません。

しかし、幼児期の行動を大人の価値観だけで判断してしまうと、
子どもの内側で起きている大切な変化を見落としてしまうことがあります。

大人の目から見ると、
月の行動は
「我慢している」
「遠慮している」
「すぐ諦めてしまう」と映るかもしれません。

一方で、楓の行動は
「ずるい」
「計算高い」
と感じられる場面もあるでしょう。

けれど、ここで立ち止まって考えたいのは、
その行動がどんな評価の言葉で
受け取られているかという点です。

子どもは、自分の行動そのものよりも、
それに対して周囲がどう反応するかを通して、
「自分はどういう存在なのか」を少しずつ学んでいきます。

もし「我慢できる子」「ずるい子」
といったラベルが先に貼られてしまうと、
本来は状況を考えて選んだ行動であっても、
子ども自身が「そういう自分なんだ」
と受け取ってしまう可能性があります。

だからこそ、行動を「良い・悪い」で評価するのではなく、
その背景にどんな意図や考えがあったのかを
想像する視点が大切になります。

この積み重ねは、子どもが
「自分の考えや選択を信じていい」と感じられるかどうか、
つまり自己肯定感の育ち方にも大きく関わってきます。

大人の見え方と、子どもの内側は違う

大人は、行動の結果だけを見て評価しがちです。

  • 譲った → 偉い、我慢している
  • 引かなかった → 自己主張が強い
  • 何度も試す → ずるい、計算高い

けれど、子ども自身は「評価される行動」
を選んでいるわけではありません。

多くの場合、自分がどう感じるか、
どうすれば困らないかを基準に動いています。

つまり、子どもの行動は
「良い子でいよう」とする結果ではなく、
自分なりに状況を理解し、
調整しようとした結果なのです。

この視点に立つと、同じ行動でも見え方が大きく変わります。

「諦めたように見える行動」をどう捉えるか

たとえば、遊んでいたおもちゃをすっと手放す姿は、
大人の目には
「諦めが早い」
「自己主張ができていない」
と映るかもしれません。

しかし、その裏側では、

  • これ以上続けると嫌な気持ちになる
  • 押し問答になるのがつらい
  • 早く終わらせた方が気持ちが楽

といった経験からの判断が
働いている可能性もあります。

この場合、その行動は弱さではなく、
自分を守るための選択です。

同様に、相手の反応を見ながら行動を変える姿も、
「ずるい」「計算している」と捉えられがちですが、

実際には人との関わり方を学んでいる途中とも言えます。

大切なのは、「どうしてその行動を選んだのだろう」と一度立ち止まって考えてみること。

その視点があるだけで、
子どもの行動は問題ではなく、
成長の途中の姿として見えてきます。

ジョハリの窓で考えるメタ認知

ジョハリの窓|自分と他者の認識の違いを表した図。開放の窓・盲点の窓・秘密の窓・未知の窓の4領域で構成されている。

メタ認知を理解するうえで、
考え方の助けになるのが「ジョハリの窓」です。

ジョハリの窓は、
自己理解と他者からの見え方の関係を整理した心理学の枠組みで、
メタ認知と非常に相性が良い考え方です。

ジョハリの窓とは何か

ジョハリの窓では、「自分についての情報」を次の4つの領域に分けて考えます。

  • 開放の窓:自分も相手も知っている自分
  • 盲点の窓:自分は気づいていないが、相手は知っている自分
  • 秘密の窓:自分は知っているが、相手には見せていない自分
  • 未知の窓:自分も相手もまだ知らない自分

この枠組みは、大人の自己理解だけでなく、子どもの行動をどう捉えるかを考える際にも役立ちます。

「盲点の窓」が広がると、メタ認知が育つ

メタ認知が育つ過程では、
「盲点の窓」の存在が重要になります。

自分では気づいていなかった行動や癖を、
周囲との関わりの中で
少しずつ知っていく。

その積み重ねによって、
「自分はこういう時にこう動きやすい」
という理解が深まっていきます。

子どもの場合、この「盲点の窓」は、
親や保育者とのやり取りを通して少しずつ形作られます。

たとえば、

  • いつも譲ってしまう
  • 強く主張する場面がある
  • 特定の状況で引きやすい

こうした行動は、子ども自身が自覚しているわけではありません。

大人がその行動をどう受け取り、
どう言葉にするかによって、
子どもは少しずつ
「自分の行動を外側から知る」
経験をしていきます。

この過程こそが、メタ認知の土台になります。

子どもの行動を決めつけないことの大切さ

ジョハリの窓を育児に当てはめるときに、
最も気をつけたいのが「決めつけ」です。

  • 「この子は我慢するタイプ」
  • 「この子はずるい」
  • 「いつもこう」

こうしたラベルは、
子どもの行動を一時的に説明してくれるように見えますが、
実際には「盲点の窓」を閉じてしまうことがあります。

行動を性格として固定してしまうと、
子ども自身が別の選択を試す余地がなくなってしまうからです。

一方で、

  • 「今日はこういう選択をしたんだね」
  • 「さっきは、そうした方が楽だったのかもしれないね」

といった捉え方は、
行動を評価せず、観察として共有する関わりです。

このような関わりを通して、子どもは
「自分の行動は見てもらえている」
「考え直してもいい」
という感覚を少しずつ身につけていきます。

それが、メタ認知を育てる環境につながっていきます。

3歳のメタ認知は、まだ「伸びていく途中」

木の蕾

ここまで、3歳児にも見られる
メタ認知の芽について見てきました。

ただし、ここで一つ大切にしたいのは、
3歳のメタ認知は完成形ではないという点です。

考えを調整しようとする動きはあっても、
常に落ち着いて選択できるわけではありませんし、
感情に飲み込まれてしまう場面も多くあります。

それでも、行動の中に
「考え直そうとする姿」が見られること自体が、
これから伸びていく力の土台になっています。

できること・できないことの線引き

3歳の子どもにできることと、
まだ難しいことを分けて考えると、
メタ認知の捉え方がぐっと現実的になります。

3歳で見られやすいこと

・経験をもとに行動を変える

・嫌な結果を避けようとする

・相手の反応を見てやり方を変える

まだ難しいこと

・自分の気持ちを正確に言葉で説明する

・先の先まで見通して行動する

・感情が高ぶった場面で冷静に振り返る

大人と同じ水準のメタ認知を求めてしまうと、
「できていないこと」ばかりが目についてしまいます。

3歳のメタ認知は、
“うまくいったり、いかなかったり”を
繰り返しながら育つものです。

その前提を持っておくことが、
親にとっても子どもにとっても負担を減らします。

失敗や試行錯誤が「未知の窓」を開く

ジョハリの窓で言う「未知の窓」は、
自分でも相手でも、まだ分かっていない可能性の領域です。

この未知の窓は、
失敗や試行錯誤を通して初めて開いていきます。

  • 思った通りにいかなかった
  • うまくいかずに泣いた
  • 別の方法を試してみた

こうした経験は、一見すると遠回りに見えますが、
「次はどうしようか」と考える材料になります。

もし大人が先回りしてすべて整えてしまうと、
子どもは自分で調整する機会を失ってしまいます。

小さな失敗を経験し、
「これは合わなかった」
「こっちは少し楽だった」

と感じることが、未知の窓を少しずつ開いていくのです。

3歳の今は、その入り口に立ったばかり。
失敗できる環境そのものが、
メタ認知を育てる大切な土台になります。

親にできる関わりかた

大人がソファに横になって顔を伏せている画像

3歳のメタ認知は、
教え込むものではなく、
関わりの中で育っていく力です。

親の声かけや受け止め方次第で、
子どもが自分の行動を振り返るきっかけは大きく変わります。

ここでは、日常の中で意識したい関わり方を3つ紹介します。

正解を教えすぎない

子どもが迷ったり、うまくいかなかったりすると、
大人はつい「こうすればいいよ」と正解を教えたくなります。

もちろん、安全に関わる場面では、
はっきり伝える必要があります。

ただ、すべてを先回りしてしまうと、
子どもが自分で考え、行動を調整する経験が減ってしまいます。

考えを調整する力を育てるという視点では、
正解を教えることよりも、
考える余白を残すことが大切な場面も多くあります。

少し立ち止まれる状況では、

・どうするかを見守る

・すぐに評価しない

といった関わりが、
子どもに「自分で選び直す時間」を渡します。

正解を教えすぎないことは、
放置することではありません。

どんな声をかけるか、
どこまで手を出すか、
そしてどんな環境に身を置いているか。

こうした要素を意識的に整えることで、
子どもは「自分で考えて動く」経験を積み重ねやすくなります。

メタ認知は、特別な練習によって育つ力ではなく、
日常の声かけや環境づくりの中で育っていく力なのです。

「どう思った?」ではなく、行動を言葉にする

メタ認知を育てる声かけとして、
「どう思ったの?」
「なんでそうしたの?」
と聞きたくなる場面は多くあります。

しかし、3歳前後の子どもにとって、
自分の気持ちや考えを言葉にして振り返ることは、
まだ難しい場合が少なくありません。

そんなときに有効なのが、
問いかける代わりに、
大人が子どもの行動をそのまま言葉にして返す関わり方です。

たとえば、

  • 「貸してって言われて、渡したんだね」
  • 「ママを呼ぶために、いろいろ試してみたんだね」
  • 「泣く前に、別のやり方を選んだんだね」

このように、評価や解釈を加えず、
事実として行動を言語化することで、
子どもは「自分の行動を外側から知る」経験を積んでいきます。

これは、ジョハリの窓で言う「盲点の窓」を、
少しずつ開いていく関わり方でもあります。

子どもに考えさせようとして質問を重ねるよりも、
まずは大人が考え方の“手本”を言葉として見せる。

その積み重ねによって、子どもは少しずつ
「自分はいま、何をしているのか」を内側に蓄えていきます。

この関わりは、すぐに「自分で考える子」に変わる近道ではありません。

しかし、考え方の型をインプットする経験として、
確実に土台をつくっていきます。

その結果として、
「ママやって」と助けを求める場面が減り、
自分なりに考えようとする姿につながっていくこともあります。

▶︎ 【3歳・幼児】すぐ「ママやって」と言う子が“自分で考えられる子”に変わった理由|鍵は「手本インプット」だった

親自身のメタ認知が、子どもの土台になる

最後に、最も大切なのは、
親自身がメタ認知的であることです。

  • 今、自分は焦っている
  • きょうだいのバランスに悩んでいる
  • うまく対応できなかった

こうした気持ちに気づき、
「だから今日はこう対応したんだな」と振り返ること。

それ自体が、子どもにとっての学びになります。

親が感情を持ちながらも、
その感情に飲み込まれずに調整する姿は、

言葉以上に伝わるモデルです。

完璧である必要はありません。

むしろ、「うまくいかなかった」
と気づき直す姿こそが、
子どものメタ認知の土台になります。

まとめ|考えを調整する力は、日常の中で育つ

メタ認知は、
「自分を客観的に見る力」と聞くと、
少し難しく感じるかもしれません。

けれど実際には、
特別な訓練や教え込みによって身につくものではなく、
日常の中で少しずつ育っていく力です。

3歳の双子の姿から見えてきたのは、
うまくいかない経験を避けるために行動を選び直したり、
相手の反応を見ながら試行錯誤したりする、
**小さくても確かな「考えを調整する力」**でした。

それは「我慢」や「ずるさ」ではなく、
その子なりに状況を理解し、
折り合いをつけようとする過程だと考えられます。

そして、このメタ認知は単独で育つものではありません。

共感力、問題解決能力、自己肯定感など、ほかの非認知能力と支え合いながら伸びていく力でもあります。

親にできるのは、
正解を急いで与えることよりも、
子どもが考えた過程に目を向け、
行動を言葉にして返すことなのかもしれません。

非認知能力全体の関係性や、
家庭で意識したい関わり方については、
こちらの記事でまとめています。

▶︎ 双子の非認知能力とは?3歳から意識したい10の力と家庭でできる関わり

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