非認知能力「問題解決能力」とは?3歳児の育ち方を双子の実例で解説

「問題解決能力」は、非認知能力の中でも幼児期から育てたい力のひとつです。
とはいえ、3歳の子どもに「自分で考えて解決してごらん」と言っても、うまくいかないことの方が多いのではないでしょうか。

できないとすぐに投げ出す、困ると親を呼ぶ——それは問題解決能力が育っていないのではなく、まだ経験と知識が足りていないだけかもしれません。

この記事では、非認知能力のひとつである「問題解決能力」とは何かを整理したうえで、
3歳の双子(男女)の日常から見えてきた、幼児期の問題解決のプロセスを具体例とともに紹介します。

「うちの子は考える力が弱いのでは?」と不安になる前に、
日常の中でどんな経験が問題解決能力につながっているのか、一緒に見ていきましょう。

なお、非認知能力そのものの定義や、3歳から意識したい力の全体像については
▶︎ [双子の非認知能力とは?3歳から意識したい10の力と家庭でできるかかわり方]
で詳しくまとめています。

非認知能力「問題解決能力」とは

問題解決能力とは、目の前で起きた困りごとに対して、
何が問題なのかを考え、どうすれば解決できそうかを試行錯誤する力のことを指します。

一般的には、次のようなサイクルで説明されることが多いです。

  • 課題を見つける
  • 必要な情報を集める
  • 「こうしたらどうなるだろう」と仮説を立てる
  • 実際にやってみる
  • うまくいったか、失敗したかを振り返る

この一連の流れを、問題解決のサイクルと呼びます。

大人にとっては当たり前に見えるこの流れも、幼児期の子どもにとっては簡単なものではありません。
それでも、遊びや日常生活の中でこのサイクルを何度も経験することで、
少しずつ「考えて行動する力」が積み重なっていきます。

課題発見〜振り返りのサイクルは、日常の中にある

問題解決能力というと、勉強や特別な教育を想像しがちですが、
実際にはとても身近な場面で育まれています。

たとえば、

  • 思った通りにできずに困る
  • どうしたらいいか分からず立ち止まる
  • 誰かのやり方を見て真似してみる
  • うまくいかずにやり直す

こうした一つひとつが、
「何が問題なのか」「どうすればできるか」を考える経験になっています。

幼児期の問題解決能力は、
正解を導き出すことよりも、考えて試す経験そのものが大切です。

幼児期は「自分で解決できなくて当たり前」

3歳前後の子どもは、まだ経験も知識も十分ではありません。
そのため、困ったことが起きたときに、

  • 親を呼ぶ
  • すぐに助けを求める
  • 「できない」と諦める

といった反応を示すのは、ごく自然なことです。

この時期の子どもは、
問題に対する選択肢(知識のカード)をほとんど持っていない状態とも言えます。

「どうしようか?」と聞かれても、
子どもの中にあるカードが
「親がどうにかしてくれる」しかなければ、
それ以上の答えが出てこないのは当然です。

だからこそ、幼児期は
一人で解決させることを目的にするのではなく、
一緒に考え、経験を積み重ねていく時期と捉えることが大切です。

次の章では、実際に我が家の3歳双子が、
日常の中でどのように問題解決をしているのかを、
男女それぞれの例を通して紹介していきます。

3歳児はなぜ問題を自分で解決できないのか

3歳前後の子どもが、困った場面で自分なりの解決策を出せないのは、
能力が足りないからではありません。
そもそも「考えるための材料」がまだ十分にそろっていない時期だからです。

知識(カード)がまだ少ない

問題解決は、頭の中にある知識や経験を使って行われます。
たとえるなら、トランプのような「カード」を何枚持っているか、というイメージです。

大人であれば、

  • 以前こうしたらうまくいった
  • 別の方法に変えてみよう
  • 誰かに聞いてみよう

と、複数のカードを使って選択肢を考えることができます。

一方で、3歳児はまだ人生経験が限られています。
そのため、問題に直面したときに使えるカード自体が少なく、
考えたくても考えられない状態にあることが多い
のです。を、
男女それぞれの例を通して紹介していきます。

「親がどうにかしてくれる」という前提

幼児期の子どもは、日常生活の多くを親に支えられて過ごしています。
服を着る、食事を用意してもらう、危険から守ってもらう——
そうした経験の積み重ねから、

「困ったら、親がどうにかしてくれる」
という前提が自然と身についています。

これは甘えではなく、
子どもが安心して成長するために必要な信頼関係の証でもあります。

そのため、

  • 困ると親を呼ぶ
  • 自分で考える前に助けを求める

といった行動は、3歳児にとってはごく自然な反応です。

だからこそ“経験”が必要

3歳児が問題を自分で解決できるようになるために必要なのは、
「考えなさい」と促すことよりも、
使えるカードを少しずつ増やしていくことです。

  • 一緒に考えた経験
  • うまくいった記憶
  • 失敗してやり直した体験

こうした積み重ねが、
次に同じような場面に出会ったときの「引き出し」になります。

最初は親のサポートがあって当然です。
一緒に考え、試し、振り返る中で、
子どもは「前はこうした」「次はこうしてみよう」と、
少しずつ自分の力で問題に向き合えるようになっていきます。

次の章では、実際に我が家の3歳双子が、
日常の中でどのように問題解決をしているのかを、
具体的なエピソードを交えて紹介していきます。

我が家の3歳双子の問題解決のしかた

同じ年齢、同じ環境で育っていても、
問題に直面したときの反応や解決までのプロセスは、子どもによって大きく異なります。

我が家の3歳双子も、
困ったときの向き合い方はまったく違いますが、
それぞれのやり方で問題解決能力を育てているように感じています。

月(男の子)の場合|「どうしよう」と伝える力

月は、困ったことがあると
まず「どうしよう〜」と親に知らせてくるタイプです。

親を呼ぶ

自分で何とかしようとする前に、
「困っている」という状況を言葉や行動で伝えてきます。
一見すると依存的に見えるかもしれませんが、
困りごとを認識し、助けを求めること自体が課題発見の一歩だと感じています。

観察する

たとえば、タブレットで動画を見たいとき。
最初はその都度、親を呼んで「これ見たい」と操作を任せていました。

しかし、何度も同じ場面を経験するうちに、
親が操作している手元をじっと観察するようになりました。

真似して解決する

いつの間にか、
見様見真似で操作を試し、自分で目的の動画を再生できるようになっていました。

「動画が見たい」という強い動機があったこともあり、
観察 → 模倣 → 実行のサイクルが自然と回ったのだと思います。

月の場合、
人の行動をよく見て学び、それを再現することで問題を解決していくタイプだと感じています。

楓(女の子)の場合|失敗しながら身につける力

楓は、できないことがあると
一度「できない」と投げ出してしまうことがよくあります。

できないと一度投げ出す

最初から最後までやり切ろうとするよりも、
「難しい」「うまくいかない」と感じた瞬間に手が止まることが多いです。

ただし、それで終わらないのが楓の特徴でもあります。

キッチンでの試行錯誤

キッチンでのお手伝いでは、
包丁で切る、混ぜる、卵を割る、牛乳を入れるなど、
思い通りにいかない場面を何度も経験してきました。

卵を割る力加減が分からず失敗する前に、「ママどうやってやるの」と聞いてきたりしました。

おままごとで使った記憶から、違った調理器具や大きいスプーンで試してみたり、混ぜてみたり。
こぼしてしまったりしながら、
少しずつ「どうすればうまくいくか」を体で覚えていったように思います。

踏み台を持ってくる=環境調整

背が低くてキッチンに手が届かないときには、
自分で踏み台を持ってきて作業することもあります。

これは、
自分の力だけでは難しい状況を、環境を変えることで解決している例です。

楓(女の子)の場合、
失敗を重ねながら試行錯誤し、
できる形に近づけていくプロセスそのものが、
問題解決能力につながっていると感じています。


同じ「困った」という状況でも、
月は観察と模倣、
楓は試行錯誤と環境調整と、
解決までのルートは異なります。

次の章では、
こうした違いがあっても問題解決能力は育っている、
という視点から、男女差や個性の捉え方について考えていきます。

男女で違っても「問題解決能力」は育っている

問題解決能力は、非認知能力の中でも「考える力」「試行錯誤する力」に深く関わる要素です。
非認知能力全体との関係性については、
▶︎ [双子の非認知能力とは?3歳から意識したい10の力と家庭でできるかかわり方]
で整理しています。

問題解決能力というと、
「自分で考えて最後までやり切れるかどうか」を基準に見てしまいがちです。
しかし、幼児期の問題解決は、
どんなルートを通って解決にたどり着いているかを見ることが大切です。

解決までのルートが違うだけ

同じ「困った」という場面でも、
月と楓では、解決までの道筋がまったく異なります。

  • 月は、親を呼び、行動を観察し、真似をすることで解決する
  • 楓は、失敗を経験しながら、自分に合うやり方を探して解決する

どちらも、

  • 課題に気づく
  • 何らかの行動を起こす
  • 結果を受け取る

という問題解決のプロセスを確実に踏んでいます。

見え方が違うだけで、
問題解決能力そのものが育っていないわけではありません

正解は一つではない

幼児期の問題解決に、
「こうできれば正解」という型はありません。

  • すぐに助けを求める
  • 失敗してやり直す
  • 誰かのやり方を真似する
  • 環境を変えて対応する

どれも、状況に応じた立派な問題解決です。

特に3歳前後の子どもにとっては、
自分なりのやり方で解決に近づく経験そのものが重要です。

親の視点で「もっとこうしてほしい」と思うことがあっても、
今はその子なりのルートを通っている途中かもしれません。

解決の仕方が違っていても、
考えることをやめていなければ、
問題解決能力は確実に育っています。

次の章では、
こうした力を日常の中でどう支えていけばよいのか、
親ができる関わり方についてまとめていきます。

親ができるサポート|一緒に考え、一緒に失敗する

幼児期の問題解決能力は、
親が「正しい答え」を教えることで育つものではありません。
大切なのは、子どもが考える過程に、親がどう関わるかです。

親も失敗する姿を見せる

親はつい、
失敗しない姿、スムーズにできる姿を見せたくなります。
しかし、あえて失敗する姿を見せることも、
子どもにとっては大きな学びになります。

  • 間違える
  • 思った通りにいかない
  • やり直す

こうした場面を子どもが目にすることで、
「ママ(パパ)も失敗するんだ」
「失敗しても大丈夫なんだ」
と感じることができます。

問題解決は、
最初からうまくいくことよりも、
うまくいかなかった後にどうするかが重要です。

失敗=悪いことではないと伝える

子どもが失敗したとき、
「ほら、言ったでしょ」「だからダメなんだよ」と伝えてしまうと、
失敗そのものを避けるようになってしまいます。

そうではなく、

  • どうしてうまくいかなかったのか
  • 次はどうしたらよさそうか

を一緒に考えることで、
失敗は「終わり」ではなく「途中の出来事」になります。

失敗を責められない経験は、
次に挑戦する勇気にもつながります。

リカバリーまで含めて経験

問題解決能力を育てるうえで重要なのは、
成功か失敗か、という結果だけではありません。

  • 失敗したあとにどう立て直すか
  • 別の方法を試すか
  • 誰かの力を借りるか

リカバリーの過程まで含めて経験することが、
本当の意味での問題解決につながります。

親がすぐに先回りして解決してしまうのではなく、
少しだけ待ち、
必要なところだけ手を貸す。

そうした関わりの積み重ねが、
「考えて行動する力」を支えていきます。

次の章では、
問題解決能力は特別な教育ではなく、
日常生活の中で育っていく力であることをまとめていきます。

問題解決能力は日常生活の積み重ねで育つ

問題解決能力というと、
勉強や知育、特別なトレーニングを思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、幼児期の問題解決能力は、
日々の何気ない生活の中でこそ育っていく力です。

勉強だけでは身につかない

机に向かう学習では、
正解が用意されている問題を解くことがほとんどです。
一方、日常生活で起きる困りごとには、
あらかじめ用意された答えがありません。

  • 思った通りにできない
  • 予想外のことが起きる
  • その場で考え直す必要がある

こうした経験は、
勉強だけではなかなか身につかない問題解決の力を育てます。

日常の「困った」が教材

幼児期の子どもにとって、
日常生活そのものが教材です。

  • 手が届かない
  • 思うように進まない
  • 失敗してやり直す

こうした「困った」を経験し、
どうすればよいかを考える中で、
問題解決能力は少しずつ積み重なっていきます。

親がすべてを先回りして解決するのではなく、
考える余地を残すことが、
子どもの力を伸ばすことにつながります。

大人になっても伸ばせる力

問題解決能力は、幼児期だけのものではありません。
大人になってからも、
経験や学びを通して伸ばしていくことができる力です。

実際に、人と話をする中で
「どういう思考でそこにたどり着いたのか」を知ると、
新しい視点や考え方に出会うことがあります。

知識を得る。
それを実際に使ってみる。
そして振り返る。

この繰り返しが、
年齢に関係なく問題解決能力を育てていきます。

まとめ

3歳前後の子どもが、
すぐに自分で問題を解決できなくても、
それは成長の過程として自然なことです。

大切なのは、
「できる・できない」で判断するのではなく、
どんな経験を積み重ねているかに目を向けること。

日常の中での小さな「困った」を、
一緒に考え、一緒に乗り越えていくことが、
非認知能力としての問題解決能力を育てていきます。

問題解決能力は、非認知能力の一部にすぎません。
他にも自己肯定感や協調性など、双子育児で意識したい力については
👇の記事で紹介しています。

双子の非認知能力とはのアイキャッチ画像 双子の非認知能力とは?3歳から意識したい10の力と家庭でできる関わり方

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